このような症状はありませんか?
- 腰に急激な痛みが起こった
- 足腰がだるい、重い
- 足腰が痺れる、痛む
- 腰を曲げる・反ると痛む
- 腰の痛みで動けない
- 痛みや痺れで歩けない
- 背中から腰に強い痛みが出ている
- 長時間歩いていると、お尻から足に痛みや痺れが生じる
- 寝返りを打った際に痛みが出て、目が覚めてしまう など
腰の症状の原因となる主な疾患
ぎっくり腰(急性腰痛症)
ぎっくり腰は正式には「急性腰痛症」と呼ばれ、腰を捻る動作や重量物を持ち上げる動作などによって起こる急激な腰痛の総称です。立っているのが困難なほど強い痛みが生じます。急性期は無理に動かずに楽な体勢で安静にすることが必要で、痛みが和らぎ動けるようになってきたら、症状の改善・再発を防ぐための運動療法や物理療法を行います。
また、再発を防ぐには正しい姿勢の維持、ストレッチの習慣化、生活習慣の見直しなども重要です。当院では、生活習慣改善のための指導も行っています。
よくある症状
急激な腰痛が起こります。腰を捻る動作、重量物を持ち上げる動作がきっかけとなることが多く、腰の片方に強い痛みが起こりやすいです。
立っているのが困難なほどの痛みが生じますが、楽な姿勢で安静に過ごすことにより1週間ほどで症状は緩和します。なお、再発しやすいため、適切な治療を受けて再発防止に努めましょう。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは腰椎同士(場合によっては仙椎)の間で緩衝材の役目を果たす椎間板が本来の位置から飛び出す疾患です。飛び出した椎間板により神経が圧迫され、足腰に痛みや痺れなどの症状が起こります。
よくある症状
発症初期は腰に激しい痛みが起こり、数日経過するとお尻から下肢にまで強い痛みや痺れが起こります。症状は、腰を捻る、足を上げるなど特定の動作により強くなります。こうした症状は安静時にも起こります。治療は主に薬物療法とリハビリテーションによる保存療法を行いますが、症状が改善しない場合や重症化している場合は手術が検討されます。
腰部脊柱管狭窄症
背骨の中央には筒状の脊柱管があり、その内部は脊髄が通ります。腰部脊柱管狭窄症は、加齢などによって黄色靭帯の肥厚、椎間板ヘルニアによる椎間板の突出などで、脊柱管が狭窄して内部の脊髄が圧迫されることで、痛みや痺れを起こす疾患です。
よくある症状
坐骨神経痛(お尻から足にかけて起こる痛みや痺れ)、足先の火照りや冷え、排尿・排便障害などが主な症状で、間欠跛行が最大の特徴です。
間欠跛行は少し歩くと足に痛みや痺れが起こり、歩くことができなくなりますが、休むことでまた歩けるようになる症状です。前屈みの姿勢では歩きやすくなることがあります。
多くの場合、腰痛はそれほど強くなく、安静状態では症状はほとんどありません。
腰椎すべり症
腰椎すべり症は腰椎がずれる疾患で、変性すべり症と分離すべり症に大別されます。本来の位置からずれた腰椎が神経を圧迫し、腰痛、脚の痺れや痛みなどの症状が起こります。
腰椎変性すべり症
加齢に伴う椎間板の変性や腰椎の変形が原因で腰椎がずれてしまい、周囲の神経を圧迫します。
腰椎分離症、分離すべり症
骨が成長段階である成長期の子どもの腰に、スポーツなど激しい運動で負荷がかかり続けることで起こる疾患で、「疲労骨折」の一つです。運動時に腰に激しい痛みが生じます。
一方、分離すべり症は、腰椎分離症による椎弓(ついきゅう)の分離が元に戻らない状態が続き、腰椎がずれた状態です。腰椎の安定性が欠いた状態となり、腰痛、脚の痺れや痛みなどの症状が起こります。
レントゲン検査でたまたま見つかることがほとんどで、軽症の場合は保存療法を行いますが、症状が改善しない、重症化した場合は手術を選択することもあります。
よくある症状
腰椎がズレることで不安定になると、神経が圧迫されて腰痛や下肢の痛み・痺れ、歩行困難などが生じます。
変形性腰椎症
加齢などにより、腰椎や椎間板が変形した状態です。腰痛が慢性化し、重症例では足の痛みや痺れ、腰痛、排尿障害などが発生し、日常生活にも影響を及ぼします。
よくある症状
左右いずれかの腰に慢性的な痛みが起こり、起床時や動作開始時にお尻や腰に強い痛みが生じます。なお、動き続けていると徐々に症状が和らいでいきます。また、腰の痛みが強く回避しようと姿勢が乱れる、足に痺れや冷えを感じ立っていることができなくなることもあります。腰が冷えていると痛みが起こりやすいので、温めて血行を良くしましょう。
加齢によるものだろうと放置される方も多いですが、変形だけが原因ではないため、運動療法や物理療法、生活習慣の改善指導などにより症状を改善させていきます。
腰椎腰髄腫瘍
まれに腰椎部の腫瘍のことがあります。
第4腰椎の骨腫瘍
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰から足にかけて広がる痛みやしびれなどの症状の総称です。何らかの原因によって、末梢神経の中で最も太い「坐骨神経」が圧迫されたり、刺激されたりすることで生じます。
坐骨神経は、鉛筆ほどの太さがある人体で最も長く太い神経です。腰からお尻、太ももの裏側を通って足先まで伸びています。この神経は、以下の3つの神経線維が束になってできています。
・運動神経: 脳からの指令を足の筋肉に伝え、動かす役割をします。
・知覚神経: 足からの感覚(痛み、熱さ、触れた感覚など)を脳に伝えます。
・自律神経: 意識とは関係なく、血管や汗腺などの働きを調整します。
「坐骨神経痛」という名称から、坐骨神経そのものに問題がある病気だと誤解されがちですが、そうではありません。坐骨神経痛は、あくまで坐骨神経が圧迫されることによって引き起こされる一つの症状であり、その背景には、別の疾患が隠れていることがほとんどです。
よくある症状
坐骨神経痛の痛みやしびれは、坐骨神経の通り道であるお尻から足先にかけて現れます。症状は片足のみに出ることがほとんどですが、まれに両足に現れることもあります。
以下のうち、ひとつでも当てはまる場合は、坐骨神経痛の可能性があります。
- お尻から足にかけて痛みがある
- 長時間立っているのがつらい
- 腰を反らすと足に痛みやしびれを感じる
- お尻の痛みが強く、座り続けるのが困難
- 歩いていると足に痛みが出て歩けなくなるが、少し休むとまた歩けるようになる
- 体をかがめると痛みが増す など
また、坐骨神経痛の症状が進行すると、以下のような深刻なサインが現れることがあります。これらの症状がみられる場合は、重度の腰椎疾患が疑われるため、速やかに医療機関を受診してください。
- 尿漏れや頻尿などの排尿障害がある
- 股間やその周辺にしびれや異常な感覚(ほてりなど)がある
腰の痛みの治療
腰に違和感や痛みを覚える場合、何らかの疾患が原因となっていることもあり、悪化させないためにも早めに整形外科を受診しましょう。放置して悪化を招くと治療期間も長くなってしまいます。腰痛は左右いずれかの腰、あるいは足にまで痛みが及ぶことがあります。
整形外科では診察と検査を通じて症状が一時的なものか、慢性的なものか確認します。診断結果から適切な治療を行い、症状の改善を目指します。
強い痛みが起きている場合、あるいは痛みが続いている場合は、まずは痛みを緩和する治療を行い、痛みが落ち着いてきたタイミングで痛みを引き起こす姿勢・動作を理学療法士の指導の下で改善していきます。
気になる腰の痛みがある際はお早めに当院までご相談ください。
腫瘍の場合は、速やかに高度医療機関へ紹介致します。
股関節部の症状の原因となる主な疾患
変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の軟骨が徐々にすり減り、それに伴い関節の形が変わってしまう病気です。この症状は、特に日本では中高年の女性に多く見られ、日々の生活の質に大きな影響を与えることがあります。
通常、股関節の軟骨は、関節がスムーズに動くためのクッションとして機能しています。しかし、この軟骨が劣化すると、骨と骨が直接ぶつかり合うようになり、これが痛みや炎症の原因となります。病状が進むと、股関節の動きが大きく制限されるようになり、最終的には普段の生活にも支障をきたすほどになります。
よくある症状
変形性股関節症は、股関節の軟骨が劣化し変形することで、持続的な痛みや関節機能の制限を引き起こす病気です。
この疾患で最もよく見られるのは、股関節の痛みです。この痛みは通常、股関節を動かす際に現れ、日常生活に大きな影響を及ぼします。痛みは股関節周辺の組織や筋肉にも広がりやすく、太ももや膝にまで及ぶことも珍しくありません。また、体を動かしていない時にも痛むことがあり、特に夜間に痛みが強くなる傾向があります。
股関節の可動域が制限されるのも特徴的な症状です。病気が進行するにつれて、股関節の動きが悪くなり、曲げたり回したりといった動作が困難になります。これにより、歩く、階段を上り下りする、着替えるなどの日常的な動作に支障が生じます。
さらに、股関節周辺の筋肉が弱くなったり、萎縮したりすることもよく見られます。これは、変形性股関節症による痛みや不安定感から、股関節を使う動作を避けるようになるため、結果的に筋力が低下してしまうためです。
最後に、病気の進行に伴い、股関節そのものの変形が現れることがあります。股関節の形状が変化し、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の突起などが形成されることで、さらに痛みを増強させる場合があります。
これらの症状の現れ方や進行度は、患者さんによって様々です。しかし、早期に診断を受け、適切な治療を開始することが、変形性股関節症による症状の進行を遅らせ、生活の質を向上させるために非常に重要となります。