リウマチは、複数の関節の痛みや腫れから始まることが多く、放置すると、慢性に経過し進行する全身の病気です。リウマチの症状が一番現れるのが関節です。いまのところはっきりした原因はよくわかっていませんが、関節内部の内張りをしている滑膜が異常に増え、放置すると関節の軟骨、さらに骨が破壊されていきます。 リウマチ類縁疾患として、手掌(てのひら)や足底(あしのうら)に皮疹を伴う掌蹠膿疱症性関節炎、慢性難治性の皮膚疾患である乾癬(かんせん)に合併した関節炎、強直性脊椎炎、などのこともあります。 |
症状 |
朝起きたときに手がこわばっていたり、複数の関節が腫れたり痛くなったりします。リウマチ類縁疾患の場合、腰痛のみのこともあります。また、食欲がない・だるい・息切れがする・めまいがする、などの症状をおこすこともあります。 |
発病後1.5年
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発病後21年(従来の治療法)
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治療法 |
十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事を心がけます。リウマチに対する治療法は近年急速に進歩し、基本的な内服薬の適切な使用、および生物学的製剤といわれる注射薬やJAK阻害剤といわれる内服薬の登場で「治る病気」になりつつあります。それぞれの病状の的確な把握と、それに対する最適な治療薬の選択・組み合わせに細心の注意をはらっています。生物学的製剤は関節の疼痛や腫れを改善するのみでなく、軟骨・骨関節の破壊の抑制・修復能を持つことがわかってきています。また、脳卒中・心筋梗塞の発生率を低下させ、生命予後を改善することがわかってきています。 当院では外来通院で、現在日本で使用できる9種類の生物学的製剤(レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシア、シンポニー、ケブザラ、インフリキシマブBS、エタネルセプトBS)や4種類のJAK阻害剤(ゼルヤンツ、オルミエント、スマイラフ、ジセレカ)を使用し、運動機能の維持向上および生命予後の向上という、グローバルスタンダードの治療を提供するよう努めています。 ヨーロッパリウマチ学会(EULAR)の機関誌 (Ann Rheum Dis) に、関節リウマチの最新治療に関する多施設共同自主研究(当院も参加しています)の報告:RRR StudyとRRRR studyが、それぞれ掲載されています。 |
乾癬の皮膚症状の改善例 |
治療前(臀部)
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治療後(臀部)
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治療前(左肘)
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治療後(左肘)
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